身近で役立つ薬用植物
1.はじめに
薬用植物といっても身近な栽培植物、米、麦、野菜、花弁、果樹、ハーブ。雑草、雑木など自然の植物の中にも沢山利用されています。これらの植物は薬用に利用される部位が、葉、茎、花、果樹、種子、小枝、樹皮、根(球、塊茎)根皮と異なります。さらに病気の予防か治療かによって、煎じ薬、お茶用、薬用酒、温・冷湿布、ぬる、はる、入浴剤、料理して食べる、その他の方法で利用される。しかし植物によっては、毒性、副作用性の強い植物も数多く含まれることから、医師、薬剤師の方々とよく相談するとともに、とくに薬剤量に注意して利用する。
2.薬用素材の入手法
近年は、薬局、薬店、健康食品店などで購入して利用すればよいが、身近に自生する植物を利用する場合は、利用する部位によって最も収穫に合った時期があります。たとえばドクダミ(6月中、下旬)ゲンノショウコ(8月中)などを10月〜11月に採集すると乾燥は楽であるが含有成分は減少し、効果の少ない品物になります。またトチュウ、キハダ.アカメガシワの樹皮は6月下旬〜8月中旬がはぎやすく、また樹の1/3で長さ1m位のみの皮はぎができて木の切り倒しをしなくても必要量の採集はできるが、季節はずれでは困難でまた良優の品物は得られない。この様に採集の時期を見極めて、自生地では、根こそぎでなく、繁殖用の株、種子は必ず残すこと。
3.採取薬材の乾燥
特別な利用や急ぐ場合を除いて、一般的な利用では乾燥品の利用となる。したがって採取した材料はゴミ、不純物を除いて水洗い後乾燥するが、注意として葉緑素が大切なクマザサ、スギナ。香りも必要なハッカ、ハーブ類は風通しのよい日陰で乾燥し、まちがっても太陽の直射光線をあてて日干ししないこと。有効成分はなくなります。またカキの葉、トチュウの葉のように一度蒸してからだと日乾してよく、うま味、利用効果を高めることができます。
4.薬用利用について
通常では煎じ薬として利用する話しとなりますが、病気のとくに治療的な話は免許、資格のない私はできませんので、予防的か健康維持的な話として、手軽に利用できることから、お茶用で役立てる話にさせていただきます。
お茶用の場合、熱湯の中に入れるか、カップに茶材を入れて、熱湯をそそぎ10から15分程度で飲用するのが通常で、渋味、苦味が少なく、うま味が出た頃に飲用する人が多く、したがって薬効エキスの浸出が少なく、病気の治療効果は早急に望めません。したがって、お茶用には長期間の利用が必要となる。また少しでも多くのエキス抽出を計るためには、果実、種子、小枝、樹皮、根、根皮などは、できるだけ小さく粉砕しておく必要があります。
また、湯わかし器具は鉄、銅製のものは使用しないことが必要。さらに症状によっては、飲用温度も異なります。たとえば、カゼのときは少し熱いめでもよいが、吐き気のするときはさましたものをゆっくり飲む。鼻血、喀血などの場合は常温以下での飲用がよい。
5.症状別利用の可能な薬用植物
(1) 胃腸関係
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植物名 |
利用部位 |
植物名 |
利用部位 |
植物名 |
利用部位 |
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アカメガシワ |
葉・樹皮 |
アマチャズル |
地上部全草 |
エビスグサ |
種子(葉) |
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オウレン |
根茎 |
オケラ |
根茎 |
オタネニンジン |
根 |
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カラタチ |
果実 |
カンゾウ |
根・根茎 |
キハダ |
樹皮 |
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キランソウ |
地上部全草 |
キンミズヒキ |
地上部全草 |
ゲンノショウコ |
地上部全草 |
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サンショウ |
果皮 |
ショウガ |
根茎 |
センブリ |
全草 |
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タラノキ |
樹皮・根皮 |
タンポポ |
根(葉) |
ドクダミ |
全草 |
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ツルナ |
全草(花どき) |
ニワトコ |
花・葉・茎 |
ヒキオコシ |
地上部全草 |
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ホオノキ |
樹皮 |
メギ |
小枝・根 |
リンドウ |
根 |
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フジバカマ |
地上部全草 |
ヨモギ |
地上部全草 |
ワレモコウ |
根 |
《例》胃腸の弱い人
・ ドクダミ、ゲンノショウコ、エビスグサ。 ・ドクダミ、エビスグサ、ヨモギ、ツルナ。
胃炎の時に
・ オウレン、ドクダミ、カワラヨモギ、ツルナ。 ・ドクダミ、ヨモギ、アカメガシワ。
食欲不振
・オケラ、サンショウ。 ・ヒキオコシ、フジバカマ。 ・ドクダミ、エビスグサ、オオバコ
下痢
・ゲンノショウコ、(生草は効なし) ・オウレン ・キハダ ・アカメガシワ
・キランソウ ・ドクダミ、ヨモギ、ゲンノショウコ。
便秘
・アズキ(種子) ・アマチャズル ・イチジク(葉) ・クワ(根皮)
・ ドクダミ、エビスグサ、クコ。 ・ドクダミ、エビスグサ、オオバコ、ヨモギ。
・ ドクダミ、エビスグサ、カワラヨモギ、コフキサルノコシカケ。
・ アサガオ(1個の1/3量1回分、1日2回)。 ・バラ乾燥つぼみ(小指大を1日1個)
(2)動脈硬化症
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植物名 |
利用部位 |
植物名 |
利用部位 |
植物名 |
利用部位 |
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アオツズラフジ |
茎葉 |
クワ |
葉・果樹・根皮 |
シソ |
葉・種子 |
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ソバ |
葉・茎・種子 |
ドクダミ |
全草 |
ベニバナ |
管状花・種子 |
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ヨモギ |
地上部全草 |
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《例》 ・ドクダミ、ヨモギ、クコ。 ・ドクダミ、ヨモギ、クコ、クワ(葉)。
・ドクダミ、ヨモギ、クコ、ソバ(葉)。
(3)高血圧症
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植物名 |
利用部位 |
植物名 |
利用部位 |
植物名 |
利用部位 |
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アカザ |
地上部全草 |
アカマツ |
葉 |
アシタバ |
葉 |
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イチジク |
葉 |
ウツボグサ |
花穂 |
エビスグサ |
種子 |
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エンジュ |
つぼみ |
カキ |
葉 |
クコ |
茎葉・果実・ 根皮 |
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クマザサ |
葉 |
クワ |
小枝・葉・果実・ 根皮 |
ゲンノショウ コ |
地上部全草 |
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コンフリー |
葉 |
タラノキ |
樹皮・根皮 |
トウモロコシ |
毛 |
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ドクダミ |
全草 |
トチュウ |
葉・樹皮 |
ナズナ |
全草 |
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ベニバナ |
管状花・種子 |
ヨモギ |
地上部全草 |
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《例》 ・ドクダミ、ヨモギ、クコ (ナズナ、クワ、エンジュ、アカザなど適宜加入してもよい)
・ ヨモギの生葉汁(食前、冬や冷え性の人はだめ)
・ グリーンジュース(朝食前)緑の濃い野菜や野草を
・ 薬用酒 (黄菊、クコ、夏みかん、ニンニク)
・ シイタケ、コンブ水、(干しシイタケ1〜2個と根コンブ2〜3個、ぬるま湯200cc)
・ ニンニク玉(ニンニク1kg+卵黄7個)
(4)肝臓関係
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植物名 |
利用部位 |
植物名 |
利用部位 |
植物名 |
利用部位 |
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アカメガシワ |
葉・樹皮 |
アスナロ |
小枝・葉 |
アマチャズル |
地上部全草 |
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エビスグサ |
種子 |
ウツボグサ |
花穂 |
オオバコ |
全草・種子 |
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カキドウシ |
地上部全草 |
カワラケツメイ |
全草・種子 |
カワラヨモギ |
花穂・全草 |
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キノコ類 |
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クコ |
茎葉・果実・ 根皮 |
クチナシ |
果実 |
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ケガヤ |
根茎 |
ヒキオコシ |
地上部全草 |
メグスリノキ |
葉・小枝・ 樹皮 |
《例》 ・カワラヨモギ、クコ、エビスグサ、オオバコ、カキドウシ。
黄疸にはクチナシ、カワラヨモギ。
(5)糖尿病
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植物名 |
利用部位 |
植物名 |
利用部位 |
植物名 |
利用部位 |
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イチイ |
葉 |
ウツボグサ |
花穂 |
エビスグサ |
種子 |
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カキドウシ |
地上部全草 |
クコ |
根皮 |
サルトリイバラ |
根茎 |
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ジャノヒゲ |
塊根 |
タラノキ |
樹皮・根皮 |
ドクダミ |
全草 |
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ナルコユリ |
根茎 |
フジバカマ |
地上部全草 |
スギナ |
地上部全草 |
《例》 ・ドクダミ、エビスグサ、ヨモギ、クコ。 ・カキドウシ、フジバカマ。
・ドクダミ、カキドウシ、イチイ。 ・カキドウシ、スギナ、タラノキ。
(6)神経痛・リュウマチ
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植物名 |
利用部位 |
植物名 |
利用部位 |
植物名 |
利用部位 |
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アオツズラフジ |
小枝 |
イチジク |
葉 |
エビスグサ |
種子 |
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オトギリソウ |
地上部全草 |
カミツレ |
花 |
カラタチ |
葉 |
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キツネノマゴ |
地上部全草 |
クコ |
根皮 |
クズ |
塊根 |
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ソクズ |
地上部全草 |
スイカズラ |
花 |
タチヤナギ |
小枝 |
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ドクダミ |
全草 |
ハトムギ |
種子 |
ハマボウフウ |
根 |
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ビワ |
葉 |
フジバカマ |
地上部全草 |
マタタビ |
虫エイ果実 |
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ユズ |
果実 |
ヨモギ |
地上部全草 |
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《例》 ・ドクダミ、エビスグサ、ヨモギ、クコ。
(7)皮膚病
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植物名 |
利用部位 |
植物名 |
利用部位 |
植物名 |
利用部位 |
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オナモミ |
果実 |
カミツレ |
花 |
カラスウリ |
果実・塊根 |
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カワラヨモギ |
地上部 |
キササゲ |
果実 |
クサノオ(有毒) |
全草 |
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クリ |
葉 |
クロモジ |
小枝 |
サクラ |
葉・樹皮 |
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サルトリイバラ |
根茎 |
スイカズラ |
花・小枝 |
ドクダミ |
全草 |
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トチノキ |
果実・樹皮 |
ハトムギ |
果実 |
ハマジシャ |
全草 |
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ビワ |
葉 |
キンミズヒキ |
地上部全草 |
モモ |
葉・果実 |
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ヤブコウジ |
全草 |
ヨモギ |
地上部全草 |
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《例》 ・ドクダミ、ヨモギ、クコ、クワ、ハマジシャ。 ・ドクダミ、ヨモギ、クコ、スイカ
ズラ、サクラ。 ・ドクダミ、ヨモギ、クコ、トチノキ。 ・ドクダミ、ヨモギ、クコ、スイカズラ、ハマジシャ。
注=《例》の混合比は1種5gとし、1日あたり3〜5杯が限度。 また飲用後の悪影響は10〜15日で気付くので、その後は飲まないこと。
追補
柿の葉茶=5〜6月の若葉。 必ず陰干しにする。 柿の葉大さじ3杯、熱湯1Lを1日に5〜6杯、毎食前か食間。 緑茶・紅茶・コーヒーとの同時飲用は不可。
高脂血症(高血圧) 心臓、膀胱炎、二日酔い、シミ、シワ。
イチョウの葉茶=夏の緑色葉を天日乾燥し利用。
大さじ1.5杯を600ccの熱湯で1日3杯。 金属アレルギーやアレルギー体質の改善、 血液さらさらにして高血圧にもよく、動脈硬化、冷え性、頭痛、耳鳴り、ぜんそく。
杜仲茶=9月頃の成熟葉を日陰干しし,大さじ2杯を熱湯1Lでお茶がわりに。 肥満、高血圧、肩こり、腰痛、冷え性。
乾燥ローズ花を加えると女性に多い病気(生理痛、冷え性、便秘)によい。
メグスリノキ茶=樹皮・小枝・葉を日乾。 大さじ1〜2杯を1Lの水に入れ、15分煮立てる。 1日3回食後。 日ごろトイレの近い人は夕食後は飲まないこと。
肝臓病、腎臓病、白内障、老眼、疲れ目、かすみ目など目の悩みによい。
スベリヒユ茶=全草を乾燥後粉末とし、1g x 70ccのぬるま湯で飲む。 1日5回毎食後と食間。
湿疹から出る汁や老廃物も取り除く。
にきび、胃腸炎、産後の出血、急性膀胱炎、痔などに。
スギナ茶=5〜7月のスギナ。 1日3回食前。 一日で飲みきる量を作る。
利尿作用は強い。 腎炎、膀胱炎、むくみ、糖尿病。
ニンジンの葉茶=1週間以上陰干しして利用。 1日3回食後(1日に1L)。 他の茶代わりに飲んでもよい。 口臭、足臭、体臭が消える。 子供のアトピー改善、その他かぜや動脈硬化、便秘にも良いと言う。
カキドオシ茶=花時か花の終わったすぐ茎葉を1日天日干しし、後日陰干し。
大さじ2杯を熱湯1L。 1日あたり5〜6杯毎食後か食間。 糖尿病(血糖降下)、利尿、肥満、下痢、便秘、高血圧、倦怠感。
資料提供:明石市 澤田 美代治氏